【対話の力・ビッグ21】月報6月号

運用報告

現在の投資戦略だけではなく、過去の事例からスパークスの投資哲学をご理解いただくコラムも掲載しています。
今回は、東京エレクトロンの事例をもとにカタリスト(触媒)について、お伝えしています。

日本株式スチュワードシップ・ファンド「対話の力」(株主責任)
■プラス貢献銘柄 ヤマハ、帝国繊維、森永製菓、
そのほか半導体製造装置メーカーや、外食チェーン運営企業など
■マイナス影響銘柄 ニチアス、ソニー、
そのほか特殊化合物メーカーやヘルスケア関連企業など

ヤマハ・・・楽器事業が好調。今期も大幅な営業増益を見込む会社計画を好感。
帝国繊維・・・2018年12月期第1四半期決算で防災事業が堅調。
森永製菓・・・海外での拡販と国内工場再編への期待。
ニチアス・・・増益見通しと株主還元の強化方針が示されて株価急騰するも、
月後半にかけて売り圧力が強まった。
ソニー・・・営業利益が減益見通し。


■投資行動
新規投資は、乳業メーカー。


■エンゲージメント活動
特殊化合物メーカーA社、防災製品メーカーB社と面談を行った。

特殊化合物メーカーA社 社長と面談
中期経営計画において、長期的な事業基盤の強化と新しい需要創出のための設備投資に多額の資金を投じる計画を示した。それにより、今後5年間は利益がわずかにしか成長しない見込みとなった。

ファンドは以下の2点を伝えた。
成長投資の必要性は十分に理解するが、
(1)少数株主を持つ上場企業として、中期的にも一定の利益成長を図るべきではないか
(2)その後に株主が得られるリターンを明確に説明していないのではないか
A社は、次回以降の決算説明会において、投資家への明確な説明を行なうことを検討するとのことだった。
ファンドは今後も、ステークホルダー全体が納得する行動をA社に促していく方針である。


防災製品メーカーB社 取締役と面談
2018年12月期第1四半期業績を発表。通年の利益計画の達成に向けて順調なスタートを切ったといえる内容だった。
ファンドが以前から促している「非効率なバランスシートを是正する」方針は示されなかったが、「自社の事業内容をもっと幅広く株式市場に理解してもらう必要がある」との認識のもと、IR活動を強化していく意向が示された。

ジャパン・エクイティ・ファンド「ビッグウェイブ21」(長期厳選)
■プラス貢献銘柄   ヤマハ、リクルートホールディングス、不二製油グループ本社など
■マイナス影響銘柄  大塚商会、三菱UFJフィナンシャル・グループ、オリックスなど

ヤマハ・・・安定感のある決算発表を受け、一部の証券会社が投資判断引き上げ。
リクルートホールディングス・・・米国の人材情報企業の買収を好感。
不二製油グループ本社・・・決算数値と中期計画を評価。
大塚商会・・・利益成長が市場想定に及ばず。
三菱UFJフィナンシャル・グループ・・・業績見通しが期待外れ。
米国の金利低下などの影響も。
オリックス・・・株主還元について積極的な態度を示さなかったことを嫌気。


■投資行動
新規銘柄への投資は無し。
調査を経て確信度が高まった企業の買い増しを行った。
株価上昇で割安度合いが小さくなった銘柄の保有比率を引き下げた。

株価上昇のきっかけ「カタリスト」について
(ビッグウェイブ21のリポートより)

ファンドでは投資を行う際、
1)ファンダメンタルズが良い企業を選別し、
2)株価が実態価値に対して割安であることを確認し、
3)割安な要因や、割安状態が解消されるきっかけになる事象は何かについて検討する。
この、割安状態が解消されるきっかけになる事象を「カタリスト」という。


例えば、
・決算
・資本政策
・合併や提携などの発表
・大手投資家やアナリストの投資判断変更
・ニュース記事
・経営トップの交代 ←ファンドが特に注目している
などが挙げられる。
カタリストを検討することは、企業の変化について深く考察することにつながる。


事例:東京エレクトロン(半導体製造装置メーカー)

東京エレクトロンは、2013年から米国のアプライドマテリアルズ社と統合協議をしていたが、2015年に白紙撤回した。
白紙撤回後、東京エレクトロンの経営に変化がおきた。
統合の交渉過程で多くの気付きを得たことや、現CEOの河合氏のCOO就任など経営体制を見直したことなどから、
・顧客目線の組織作り
・事業の選択と集中
・株主還元の拡充など、
前向きな施策が多く見られるようになった。

ファンドでは東京エレクトロンの変化に着目し、1年以上の調査を経てファンダメンタルズの改善と株価の割安度の確認、カタリストの想定を行った。
割安度の確認: 半導体産業の裾野拡大により需要変動が緩やかになったことや、東京エレクトロンが規模より安定性を重視し始めたことから、リスクの低下が見込まれた。リスク低下を反映させた実態価値評価によって株価との大きな乖離を見出した。
カタリストの想定: 決算発表などを機に、投資家が東京エレクトロンの経営変化に気付き、
半導体関連企業は高リスクであるという思い込みが変化するということがカタリストになると想定。

2016年半ばに投資を実行。その後1年間で、東京エレクトロンの株価は約2倍に急上昇した。
半導体市場の裾野拡大を「スーパーサイクル」と認識する人が増えたことや、東京エレクトロンの市場シェア上昇が明確になったことから、収益安定性や成長性への評価が高まったためである。


詳しくは、スパークスのウェブサイトに先日、アップロードされた
2018年5月31日を基準日とする月次報告書をご覧ください。


※個別銘柄を推奨しているわけではありません。
※スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド(愛称:対話の力)について詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www.sparx.co.jp/mutual/stw.html
※スパークス・ジャパン・エクイティ・ファンド(愛称:ビッグウェイブ21)について詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www.sparx.co.jp/mutual/bw21.html

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