スパークス・グループ株式会社

株主投資家の皆さまへTo our shareholders and investors

当社グループは、有史に残るであろうパンデミックや地政学リスクが顕在化する中においても、引き続き安定した運用実績を維持し、コストコントロールも続けた結果、安定的に稼ぐ力である基礎収益を過去最高にまで増加させています。以降、前期を総括し今後の目標をお伝えいたします。

なお、本文中の「前期」は2022年3月期、「前々期」は2021年3月期を示します。

前期は、営業収益は主に成功報酬の減少により1.8%減少し140億43百万円となりましたが、運用資産残高(AUM)の平均は前々期に比べ2,281億円高い水準となっており、残高報酬は15%増加して125億77百万円となっております。コスト面において主にオフィス関連費用が減少したことで経常的経費は48億48百万円となり、結果として基礎収益は61億57百万円と2007年3月期以来過去最高を更新しており、収益力が着実に強くなっていると考えています。なお、営業利益は1.8%増加し64億64百万円、特別利益の計上もあり親会社株主に帰属する当期純利益は17.4%増加し40億70百万円となりました。
また配当につきましては、すでに株主総会で決議しましたとおり、前期は前々期の普通配当11円に1円を加えた、1株あたり12円の配当とさせていただきました。記念配当を除く普通配当としては過去最高額となり、昨年に続き更新しております。今後も収益の成長とともに、しっかりとした株主還元を継続して実現できるよう最大限努力いたします。

前期末(2022年3月末)のAUMは、前々期末(2021年3月末)に比べて1.3%増加し1兆5,557億円となりました。AUMを2026年3月末までに2倍の3兆円に増加させることを当面の目標としております。私たちの厚い人財力、投資力によって運用パフォーマンスの質を維持しながら、AUM3兆円の実現を目指していきます。
現在AUM1兆5,557億円のうち1兆210億円は日本株式の投資戦略です。これは創業から32年間、こつこつと積み上げてきたスパークスの投資力と運用実績の賜物です。ハイブリッド型収益モデルにおいて成功報酬を計上できる戦略のひとつがロング・ショート戦略となり、前期目標としていたAUM1,000億円を達成しています。このような成功報酬が付帯する運用戦略のAUMを維持・増加することは、スパークスの強みであり、他社の追随を許さないスパークスのユニークさの土台をなすものです。ESGの投資についても、早い時期からESGに関する分析・勉強を積み重ねてきています。現在、世界の投資家から日本のESG投資について興味をもってアプローチしていいただいており、今後スパークスがESG投資の先鞭を切って世界に発信していく土台ができたと考えております。

アジアの上場株式に投資するOneAsia投資戦略も、アジア人としてアジアのために投資する会社でありたいという思いから、立ち上げております。ここから3年、5年を見据えて、スパークスのアジア株投資を日本株投資と肩を並べる、もしくはそれ以上のAUMを運用するファンドに成長させることが私の目標であります。
再生可能エネルギー発電所への投資については、スパークスがすでに投資・管理している日本全国30カ所以上の再生可能エネルギー発電所をネットワーク化して新たな価値を生んでいくことも含めて、再生可能エネルギー、気候変動といった時代の大きなテーマに投資会社として取り組んでいくことが、この戦略の大きなステップであり大きな可能性があると考えております。
プライベートエクイティの戦略については、未来創生2号ファンドも順調に投資が進み、前期は3号ファンドを設立し、3号ファンドのAUMは前期末で515億円となりました。規模・質ともに日本で最大級のベンチャー投資の運用機関になることができたと思います。
上記のファンドビジネスを強化するため、新たな成長領域への投資を続けていきたいと考えております。新しい時代の成長領域は、エネルギー、医療、フィンテックの領域だと考えており、スパークスの成長をけん引する新しいビジネスの形を株主・投資家の皆様に、はっきりと見ていただけるように最善を尽くしたいと思います。
「世界で最も信頼・尊敬されるインベストメント・カンパニーになる」というビジョンを持ち続けながら、投資家の皆様に支持される会社であり続けるよう努力精進してまいります。

支えて下さる皆様のご期待に応え、着実に企業価値を高め、成長を実感していただけるように努力してまいる所存でございます。
皆様には今後ともご指導、ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。

2022年6月
スパークス・グループ株式会社 代表取締役社長
阿部 修平