MESSAGE

 本年初めから新型コロナウイルスによる感染被害が日本のみならず世界で拡大し日本でも多くの方が罹患されたという報道がされております。罹患された皆様、及び関係者の皆様に、謹んでお見舞い申し上げます。

 今期は新型コロナウイルスの影響を見通すことができない不透明な環境でのスタートとなりましたが、成長領域と考えている領域への投資など、さらなる成長・飛躍を実現するための様々な施策を引き続き実行する1年となります。以降、前期を総括し今後の展望をお伝えいたします。

 ※なお、本文中の「今期」は2021年3月期、「前期」は2020年3月期、「前々期」は2019年3月期を示します。

 前期のグループ運用資産残高(以下、「AUM」といいます。)は平均残高で前々期に比べ2.3%増、平均の残高報酬料率は同2ベーシスポイント増となり、基礎収益力は堅調さを維持しております。さらに、成功報酬が増加したことにより、営業利益は前々期39億1百万円から前期44億79百万円へと、前々期に比べて14.8%の増益となりました。スパークス特有の残高報酬と成功報酬によるハイブリッド型収益モデルが機能し基礎的な"稼ぐ力"が着実に前進しております。私共が培ってきた運用力と実績を、今後のAUMの拡大にいかに活かしていくかが、私共が取り組むべき最大の課題であると思います。ただ単に規模を追うのではなく最高の運用成果を維持し、さらに高みを目指して強化していくことが大切であると思います。そうした点から、日本株式について、3月に欧州を代表する機関投資家から日本株式サステナブル投資戦略での運用を受託し、OneAsia投資戦略でも昨年12月に、欧州の大手公的機関投資家から、韓国中小型株を対象とした運用を受託したことは、世界一流の投資家に評価された結果であり、非常に意味のあることと考えております。

 また、配当については、引き続き安定した財務状況にあること、及び基礎収益力が安定的に増加する目途が立ちつつあること、等を総合的に検討し、前々期の普通配当1株あたり7円から2円増額した9円とさせていただきます。今後も、長期的な成長を実現する強い体質を構築し、株主の皆様のご期待に沿うべく、引き続き株主還元の拡大を目指してまいります。

 AUM、基礎収益力のさらなる成長を目指しながらスパークスのこれまでのファンドビジネスを強化するため、前期から新たな成長領域への投資を始動しております。

 AI(人工知能)の利用が前提となった新しい時代の成長領域は、エネルギー、医療・介護、そして量子コンピュータなどの領域と考えており、次のスパークスのビジネスの柱にしようと一歩一歩確実に前進しております。量子コンピュータ分野への投資は、東北大学及び量子アニーリングコンピュータの世界的権威である大関真之准教授からのご理解を得て、この分野に特化した新会社シグマアイに昨年4月設立とともに参画しております。医療・介護についても、小さな一歩を踏み出しました。具体的には医療法人社団五葉会のご理解を得て、コンサルティング業務を提供させていただいております。医療領域の効率的な成長は社会的な使命であり、私達投資会社として参画し貢献すべき領域であると考えております。単に目先の短期的な収益を追うのではなく、時代の要請をしっかり受け止めて、これまでのスパークスでやってきた良い投資を、金融投資家として、立派な医療機関とそれを支える優秀な医療の専門家の方々とともに、実践していきたいと思います。

 スパークスでは、1989年創業以来、企業を一社一社徹底的に調べ、現場に赴いて実際に目で見て判断する"現地現物"による調査活動を徹底してまいりました。新型コロナウイルス発生以降は、5G(第5世代移動通信システム)、AIなどの技術を活用して、教育、医療、自動運転など世界はあらゆる分野で非接触型に移行していくものと思われます。この非接触型社会への移行の中で、当社グループが大切にしてきた"現地現物"やコミュニケーションの重要性といった価値観を、どのようにして維持・強化していくのか、自ら先頭に立ちこの変化に立ち向かっていきたいと考えております。また、これからも創業時より続けている投資の勉強会「バフェットクラブ」などを通じて、高い知見・見識を備え、人格的にも優れた次世代を担う経営者を育成することが、私が経営者として負うべき最も大切な仕事だと思っています。企業文化や変わらない投資哲学を若い次の世代に継承しながら、新しい成長領域への投資に取り組み続けることのできる強い組織の創造に向けて努力精進してまいります。

 支えていて下さる株主の皆様のご期待に応えて、着実に企業価値を高め、成長を実感していただけるように努力してまいる所存でございます。今期のさらなる躍進にご期待いただくと共に、引き続きご指導、ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。

 最後に株主の皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。

2020年6月

スパークス・グループ株式会社 代表取締役社長

阿部修平

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