スパークス・グループ株式会社

株主投資家の皆さまへTo our shareholders and investors

株主及び投資家の皆様には、日頃より格別のご理解、ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

当社グループの前期末(2024年3月末)運用資産残高(AUM)は、前々期末(2023年3月末)に比べ25.9%増加して1兆8,893億円(注1)となり、AUMが増加したことで残高報酬は15億22百万円増加し142億58百万円となりました。適切にコストコントロールを続けたことと合わせて、安定的に稼ぐ力である基礎収益(注2)は63億48百万円と過去最高(2022年3月期 61億57百万円)を更新し、スパークスを支える土台は着実に強くなっております。さらに成功報酬が増加したため営業利益は74億76百万円(31.1%増)に増加し、加えて、新しい投資戦略等へのシード投資の役割を終えた投資有価証券を精査し、売却したことで最終利益65億19百万円(44.2%増)の大幅な増加に寄与しております。伝統的な投資戦略と日本株式ロング・ショート投資戦略、価値創造投資戦略、再生可能エネルギー投資戦略やプライベート・エクイティ投資戦略などオルタナティブの投資戦略を併せ持つプラットフォームによる残高報酬と成功報酬のハイブリッド型収益モデルが機能し、加えて、種を撒いてきた新しい領域への投資から一定の実現益を得ることができ、スパークスのユニークさが際立った年となりました。

創業以来、バブル崩壊以降、長期的に下落する市場においてもファンドのリターンを上げることができるように、ロング・ショートや集中投資戦略など日本やアジアの上場株式の投資戦略を開発しました。また、リーマンショックの際には、キャピタルゲインではなく、キャッシュフローに着目し、投資いただく期間の比較的長い実物資産投資戦略を開発し立ち上げました。加えて、同様に投資いただく期間の長いプライベート・エクイティ投資戦略も立ち上げました。このように危機に際して、新しい投資戦略を開発し、一つ一つ丁寧に育て、事業の柱にしてまいりました。2024年3月末時点では、AUMの24%が実物資産やプライベート・エクイティ投資戦略に対するものとなり、この結果、収益の安定性が増し、株式市場が暴落するような危機に対しても備えが進んでいると考えています。
このように投資戦略の4本柱を大切に育ててまいりましたが、どの戦略にも共通して大切にしていることは、投資対象にとらわれず良い投資を続けていくことです。規模を追うこと自体が目的ではありませんが、引き続き新しい投資戦略を開発して立ち上げ、より一段高いレベルの投資を続けることで、現在約2兆円あるAUMを3兆円に成長させることができると考えております。

現在、主要な経営指標のうち、基礎収益や配当は過去最高を更新しております。また、AUMについても、過去最高の約2兆円を達成することが見えてまいりました。営業利益や時価総額は、まだ過去最高を更新できておりませんが、AUM3兆円の目標を達成することで、これらの指標についても、過去最高を更新できるよう全力で努力してまいります。

「世界で最も信頼・尊敬されるインベストメント・カンパニーになる」ことで「世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」を実現するため、引き続き努力精進してまいります。
皆様には今後ともご指導、ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。

2024年6月
スパークス・グループ株式会社 代表取締役社長
阿部 修平

  • (注1)当年度末(2024年3月末)運用資産残高は速報値です。
  • (注2)「基礎収益」とは事業の持続的かつ安定的な基盤となる収益力を示す経営指標であり、その算定方法は以下のとおりです。
    基礎収益=残高報酬(手数料控除後)-経常的経費