スパークス・グループ株式会社

株主投資家の皆さまへTo our shareholders and investors

当社グループの前期末(2023年3月末)運用資産残高(AUM)は前々期末(2022年3月末)比3.6%減少となりましたが、残高報酬料率の高い運用戦略のAUMが増加したことで残高報酬は微増し、併せて適切にコストコントロールを続けた結果、安定的に稼ぐ力である基礎収益(注1)は、引き続き過去最高水準を維持しております。また、新しい投資戦略等へのシード投資の役割を終えた投資有価証券を精査し、一部解約・償還したことが最終利益の増益に貢献しており、当期は減収でしたが最終利益は増益となりました。従来説明してきました投資戦略を多角化することで株式市場が軟調な時でも基礎収益を維持できる強い体質になっていること、スパークスの投資力を改めて示すことができたと思います。

当期(2024年3月期)から更なる事業拡大と企業価値向上を実現するべく、組織のフラット化による業務執行の迅速化を通じて、当社グループを率いる後継者となる人材を選抜、育成し、新しい経営体制の確立を目指しています。このため第34回定時株主総会において、社内取締役を減員し代表取締役は社長1名とすることで、マネジメント層の世代交代に着手しております。機動力があり、アグレッシブで変化に対応できる、働く仲間への優しさと共感力を持った、スパークスが標榜するARTSの精神(注2)を実践する、フラットな組織にしていきたいと思っております。組織の階層をフラット化し、私自身が執行役員のメンバーを含む全社員と一緒に働いていく、その中から次の世代の人材を育て、世代継承を行っていくことを目指していきたいと考えております。スパークスには一丸となって働いてくれる素晴らしい仲間がおり、私はそれを常に誇りに思っております。そういう仲間が大きく飛躍する舞台を強く立派にするのが私の役割です。
スパークスは世界に誇るべきユニークな投資会社であると思っています。スパークスの人財力、投資力によって、世界で質の高い良い投資を実行することで、ブランド力を強化し、更なる成長を目指してまいります。

「世界で最も信頼・尊敬されるインベストメント・カンパニーになる」ことで「世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」を実現するため、本年も引き続き努力精進してまいります。
皆様には今後ともご指導、ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。

2023年6月
スパークス・グループ株式会社 代表取締役社長
阿部 修平

  • (注1)「基礎収益」とは事業の持続的かつ安定的な基盤となる収益力を示す経営指標であり、その算定方法は以下のとおりです。
    基礎収益=残高報酬(手数料控除後)-経常的経費
  • (注2)ARTSの精神
    当社グループの行動規範であり、Arigato、Responsiveness、Thoroughness、Sympathyのそれぞれ頭文字をとったものです。
    A:共に働く仲間、関係するすべての人に敬愛と感謝の気持ちを持って行動します。
    R:変化への最大の対応として俊敏さを大切にし、常にスピーディな対応を徹底します。
    T:緻密で丁寧な活動が、革新的な知見を生み出すことを信じ、常に極め続けます。
    S:調和と貢献の姿勢でお客様と仲間に接します。謙虚さ、誠実さが、お互いの成長につながると信じ、品格をもって行動します。また、柔軟に多様性を受け入れる広い心を持ち、自由な議論の場を創出します。